街中やテレビでVaundy(バウンディ)の『怪獣の花唄』が流れてきたとき、ふとこんな感覚に襲われたことはありませんか?
「あれ? この曲、昔どこかで聴いたことがある気がする……」
初めて聴くはずなのに、なぜか猛烈に懐かしい。サビのメロディが、記憶の奥にある「あのアニソン」や「青春時代のロック」と重なる。そんなモヤモヤを抱えて検索窓に「怪獣の花唄 パクリ」と打ち込んだのは、あなただけではありません。
実際、SNSやネット掲示板では「似てる曲がある」という話題が尽きないこの楽曲。しかし、結論から言ってしまうと、これは悪質な盗作(パクリ)ではありません。
むしろ、Vaundyという天才が意図的に仕掛けた「あえての古さ(オマージュ)」である可能性が高いのです。
この記事では、具体的に「どの曲に似ていると言われているのか」を動画で聴き比べながら、なぜこれほどまでに私たちの心を掴んで離さないのか、その音楽的な「正体」を徹底検証していきます。読み終える頃には、パクリ疑惑のモヤモヤが晴れて、この名曲がもっと好きになっているはずです。

怪獣の花唄が「パクリ」と言われるほど似ている曲5選

「パクリだ!」と騒がれるのには理由があります。それは、あまりにも具体的すぎる「元ネタ候補」が存在するからです。
ここでは、特にリスナーの間で「似すぎている」と名前が挙がる楽曲をピックアップしました。実際に聴いてみてください。
似てる曲① ELLEGARDEN「ジターバグ」
まず真っ先に名前が挙がるのが、2000年代の邦楽ロックシーンを牽引したレジェンドバンド、ELLEGARDEN(エルレガーデン)の『ジターバグ』です。
特に指摘されているのが、イントロの疾走感とドラムのリズムパターンです。
(※ここにELLEGARDEN「ジターバグ」のYouTube動画を埋め込むと効果的です)
聴き比べてみるとわかりますが、あの「ダダン!ダダン!」という前のめりなリズムの入り方が非常に似ています。30代前後のロック好きなら、イントロが流れた瞬間に「エルレだ!」と反応してしまうDNAレベルの類似性があると言えるでしょう。
ただ、これはメロディそのものの盗作というよりは、「2000年代のパンクロックの空気感」を再現した結果、似てしまったと考えるのが自然です。
似てる曲② 和田光司「Butter-Fly」
次に多いのが、アニメ『デジモンアドベンチャー』のオープニングテーマとして有名な『Butter-Fly』です。
「怪獣の花唄」のサビで一気に視界が開けるような高揚感。これが『Butter-Fly』のサビ、「無限大な夢のあとの~」という突き抜けるようなメロディラインと重なるという声が殺到しています。
音符が完全に一致しているわけではありません。しかし、聴く人に与える「少年漫画のようなワクワク感」や「切なさを含んだ疾走感」という構成要素が、双子のように似ているのです。
似てる曲③ その他ネットで名前が挙がる曲(サカナクションやボカロ曲など)
その他にも、ネット上ではいくつかの楽曲との類似性が指摘されています。
- サカナクション『新宝島』:MVのコミカルな動きや、レトロな画角の雰囲気が影響を受けているのでは?という意見。
- ハチ(米津玄師)『パンダヒーロー』:早口でまくし立てるようなAメロの歌い回しが、ボカロ全盛期を彷彿とさせるという指摘。
- キタニタツヤ『青のすみか』:これは逆に「怪獣の花唄に似てる」と言われるケースですが、現代のヒット曲同士で響き合う部分があるようです。
こうして見ると、「怪獣の花唄」は1曲のパクリではなく、「私たちが青春時代に愛した複数の名曲のエッセンス」が凝縮されているように感じませんか?
なぜ「似てる」と感じるのか?Vaundyの作曲テクニックを分析

では、なぜこれほどまでに「パクリ」と言われるほど既視感があるのでしょうか?
それは偶然ではなく、Vaundyというアーティストが持つ、ある種「あざとい」までの作曲テクニックに理由があります。
日本人が好む「王道進行(カノン進行の派生)」の使用
音楽には、日本人が無条件で「いい曲だ」と感じてしまう魔法のコード進行が存在します。いわゆる「王道進行」や「カノン進行」と呼ばれるものです。
『怪獣の花唄』も、この日本人が大好きなコード進行のツボをこれでもかと押さえています。
ヒット曲の法則とも言える、耳馴染みの良いコード進行。
それをあえて使うことで、初めて聴く人にも「昔から知っているような安心感」を与えているのです。
つまり、似ている曲が多いのは、「みんなが好きな黄金パターンを使っているから」という単純明快な理由。料理で例えるなら、カレーライスが誰にでも好かれるのと同じで、王道の味付けをしているからこそ、多くの「似ている美味しい料理」が連想されるわけです。
Vaundy本人が語る「90年代〜00年代J-POPへのリスペクト」
ここで重要なのが、Vaundy本人のスタンスです。
彼は過去のインタビューなどで、自身の楽曲制作について非常に論理的、かつマーケティング的な視点を持っていることを明かしています。
彼は感覚だけで曲を作っているのではなく、「どの時代のどんな音が、今の若者や大衆に刺さるか」を徹底的に研究しています。
『怪獣の花唄』に関しても、意図的に2000年代初頭の邦楽ロックの雰囲気を取り入れている節があります。つまり、これは「隠れて盗んだ(パクリ)」のではなく、「あの頃の熱量を現代に蘇らせた(オマージュ・リスペクト)」と捉えるのが正解でしょう。
彼は「新しさ」よりも「懐かしさ」を武器にすることで、世代を超えて愛されるアンセムを作り上げたのです。
パクリ疑惑に対するネットの反応と結論

最後に、このパクリ疑惑について、世間のリスナーはどう感じているのかを見てみましょう。
「似てるけど最高」「むしろそこが良い」という肯定意見が多数
SNSを調査してみると、「パクリだから許せない」という批判的な意見は実は少数派です。
- 「怪獣の花唄、エルレっぽくて最高にエモい」
- 「デジモン世代だから、この曲聴くと無条件で泣けてくる」
- 「パクリっていうか、良いとこ取りの集大成でしょ」
このように、多くの人が「似ていること」をプラスの要素として受け入れています。
「似ているからダメ」ではなく、「似ているからこそ、青春時代の記憶が刺激されて気持ちいい」というのが、リスナーの本音ではないでしょうか。
結論:これはパクリではなく「令和のスタンダード」への昇華
検証の結果、私の結論はこうです。
『怪獣の花唄』は、過去の名曲たちへのラブレターである。
既存の曲をコソコソ真似たのではなく、J-POPやロックの歴史をリスペクトし、それをVaundyというフィルターを通して「令和のスタンダード」へと昇華させた。だからこそ、10代には新鮮に響き、30代以上には懐かしく響く、最強のヒット曲になり得たのです。
まとめ
今回の記事では、Vaundy『怪獣の花唄』のパクリ疑惑について検証しました。
- 似てると言われる正体は、ELLEGARDENやデジモンOPなどの名曲たち
- 日本人が好む「王道進行」を使いこなす確かな技術がある
- Vaundyは意図して「懐かしさ」を演出し、ヒットを生み出している
「パクリかな?」と疑って聴くのをやめてしまうのはもったいない名曲です。
その既視感(デジャヴ)こそが、Vaundyが私たちに仕掛けた魔法なのかもしれません。
さて、そんな天才・Vaundyですが、実は他にも「えっ、この曲もあの曲に似てる?」と噂される中毒性の高い楽曲がたくさんあります。
次は、彼の知られざる素顔や、他の人気曲の秘密についても覗いてみませんか?
▼次に読みたい記事
【顔バレ】Vaundyの素顔はイケメン?大学や年齢など謎多きプロフィールを特定!