「長野久義ってどんな選手だったの？」「2度もドラフトを拒否したって本当？」「引退後は何をするの？」
2025年10月14日、読売ジャイアンツの長野久義選手が40歳で現役引退を発表しました。引退会見には53人もの選手やスタッフが駆けつけ、その人柄の良さが改めて注目されています。
長野選手の経歴を調べてみると、甲子園未出場という挫折から始まり、2度のドラフト指名を拒否してまで巨人入りを目指し、首位打者や最多安打のタイトルを獲得。人的補償での広島移籍を経て、最後は憧れの巨人で引退を迎えるという、まさにドラマのような人生を送っていることが分かります。
しかし、詳しい経歴や年表、プライベートについては、断片的な情報しか見つからず、「もっと詳しく知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、長野久義選手の経歴を時系列で完全網羅し、以下の内容を詳しく解説します：
- 少年時代から高校・大学・社会人・プロ入り・引退までの詳細な経歴
- 2度のドラフト拒否の真相と「巨人愛」を貫いた信念
- 年表形式で見る長野久義の人生の軌跡
- 首位打者・最多安打など輝かしい成績と年俸推移
- 12歳年上の下平さやかアナウンサーとの結婚秘話
- 引退会見に53人が集まった「球界一の気配り」エピソード
- 引退後の新たな挑戦（大学院進学）について
長野久義選手の経歴を知ることで、「夢を諦めない心の大切さ」や「周囲への気配りが成功につながること」など、人生に役立つ多くの学びを得られます。
野球ファンはもちろん、「困難を乗り越えて夢を叶えたい」と思っているすべての方に読んでいただきたい内容です。それでは、長野久義選手の感動的な経歴を一緒に見ていきましょう。
長野久義の経歴｜少年時代から引退まで完全網羅
長野久義の経歴は、佐賀県の少年野球チームから始まり、甲子園未出場という挫折を経験しながらも、大学で2年連続首位打者を獲得。2度のドラフト指名を拒否してまで巨人入りを目指し、ついに2010年にドラフト1位で念願の巨人に入団しました。新人王、首位打者、最多安打のタイトルを獲得し、広島への移籍を経て2022年に古巣復帰を果たし、2025年に40歳で引退するまで、通算1512安打を記録した輝かしい経歴です。
長野久義の少年時代から高校時代の経歴
長野久義の野球人生は、佐賀県三養基郡基山町から始まりました。1984年12月6日に生まれた長野選手は、小学1年生の時に地元の少年軟式野球チーム「基山バッファローズ」に入部します。
当時から運動神経抜群だった長野選手は、6年生の時にはチームの主将を任されるほどの実力者でした。中学校に進学すると、さらに本格的な野球の道を歩み始めます。基山中学校時代は、九州硬式少年野球協会フレッシュリーグ所属の「筑紫野ドリームズ」に在籍し、硬式野球で技術を磨きました。
そして筑陽学園高校へ一般入試で進学した長野選手。ここで大きな挫折を経験することになります。2002年の春季九州大会では準決勝まで進出したものの、本多雄一選手（後の日本代表）を擁する鹿児島実業高校に敗退。同年夏の甲子園県予選も準々決勝で柳川高に敗れ、甲子園出場の夢は叶いませんでした。
しかし、この時期の長野選手には既に明確な目標がありました。それは「読売ジャイアンツでプレーすること」。高校時代からプロのスカウトの目には留まっていましたが、長野選手の心は巨人一筋だったのです。
長野久義の大学時代の経歴と2年連続首位打者
長野久義の経歴を語る上で欠かせないのが、日本大学時代の目覚ましい活躍です。高校時代は甲子園に出場できなかった長野選手でしたが、大学に進学すると一気に才能が開花しました。
日本大学では、東都大学野球リーグでプレー。ここで長野選手は驚異的な記録を打ち立てます。なんと2年連続で首位打者を獲得したのです。東都大学リーグといえば、プロ野球選手を多数輩出する名門リーグ。その中で2年連続首位打者という快挙は、長野選手の実力を証明するものでした。
打撃だけでなく、守備でも評価を高めた長野選手は、2年連続でベストナインにも選出されています。大学4年時には主将としてチームを牽引し、2006年の世界大学野球選手権日本代表にも選ばれました。
この時期の長野選手について、大学の後輩から聞いたアドバイスで打撃フォームを変えたというエピソードがあります。ホームベースから離れた位置で打席に立つことで、苦手だった変化球の見極めができるようになったそうです。この独特の打撃フォームは、プロ入り後も長野選手のトレードマークとなりました。
長野久義の社会人時代の経歴と2度のドラフト拒否
長野久義の経歴の中で最も印象的なのが、「巨人愛」を貫いた2度のドラフト指名拒否でしょう。
大学4年時の2006年、北海道日本ハムファイターズからドラフト4位指名を受けます。通常であれば喜んで入団するところですが、長野選手の答えは「NO」でした。理由はただ一つ、「読売ジャイアンツ以外では野球をしたくない」という強い思いがあったからです。
プロ入りを断った長野選手は、Honda硬式野球部に入社しました。社会人野球でも実力を発揮し、2007年のJABA東京スポニチ大会では新人賞を獲得。同年4月のJABA静岡大会では大会最優秀選手に選ばれるなど、着実に実績を積み重ねていきます。
そして2008年のドラフト会議。今度は千葉ロッテマリーンズが2位で指名しました。当時のロッテ監督はボビー・バレンタイン氏。直接会って説得しようとしましたが、長野選手は面会すら拒否したと言われています。「巨人以外には行かない」という決意は揺るぎませんでした。
周囲からは「プロ入りのチャンスを棒に振っている」と心配する声もありましたが、長野選手の信念は変わりません。むしろ「巨人から指名されるまで社会人で頑張る」と覚悟を決めていました。この強い意志が、後の成功につながったのです。
長野久義のプロ入り後の経歴と黄金期
2009年、ついに長野久義の夢が叶います。Honda硬式野球部での活躍が認められ、第80回都市対抗野球大会では打率.579という驚異的な成績で首位打者を獲得。チームを13年ぶりの優勝に導きました。
そして運命のドラフト会議。読売ジャイアンツから単独1位指名を受けたのです。3度目の正直、ようやく念願の巨人入りを果たしました。契約金1億円、出来高払い5000万円、年俸1500万円での入団。背番号は「7」でした。
長野久義のプロ入り後の経歴は、まさに順風満帆なスタートを切ります。2010年の1年目から128試合に出場し、打率.288、19本塁打、52打点という素晴らしい成績を残しました。この活躍が認められ、新人王に輝きます。
しかし、長野選手の活躍はここからが本番でした。2011年には打率.316で首位打者のタイトルを獲得。さらにベストナインとゴールデングラブ賞も受賞し、球界を代表する選手へと成長しました。
2012年には184安打で最多安打のタイトルも獲得。この年もベストナインとゴールデングラブ賞を受賞し、2年連続での栄誉に輝いています。
2013年には3年連続でベストナインとゴールデングラブ賞を受賞。さらに第3回WBC（ワールド・ベースボール・クラシック）の日本代表にも選出され、世界の舞台でもプレーしました。
この2011年から2013年の3年間は、長野久義の経歴の中でも「黄金期」と呼べる時期です。入団から9年連続で100安打以上を記録し、長嶋茂雄、原辰徳に次ぐ球団3位の記録も打ち立てました。
プロ1年目から5年目までの通算767安打は、日本人選手として歴代1位の記録。まさに「即戦力」という言葉がぴったりの活躍でした。
長野久義の広島移籍と巨人復帰の経歴
長野久義の経歴に大きな転機が訪れたのは2018年オフのことです。読売ジャイアンツが丸佳浩外野手をフリーエージェント（FA）で獲得したことに伴い、人的補償として長野選手が広島東洋カープへ移籍することになりました。
2019年1月7日、この移籍が正式に発表されると、ファンからは驚きと悲しみの声が上がりました。長野選手自身も「巨人以外でプレーすることは考えていなかった」と複雑な心境を明かしています。しかし、プロとして新天地での挑戦を決意しました。
広島での背番号は「5」。入団記者会見では緊張からか言葉がつまってしまい、「かみかみ」になってしまったというエピソードも。それでも長野選手は「広島で全力を尽くす」と決意を語りました。
広島での4年間（2019-2022年）は、決して楽な期間ではありませんでした。かつてのような圧倒的な成績を残すことは難しく、出場機会も徐々に減っていきます。それでもベテランとして若手を支え、チームに貢献し続けました。
そして2022年11月、奇跡が起こります。長野選手が無償トレードで読売ジャイアンツに復帰することが発表されたのです。38歳での古巣復帰。広島の鈴木球団本部長は「いつかユニフォームを脱ぐことがあるとすれば、やっぱり巨人で脱ぐべきではないかと思っていた」と語り、長野選手の巨人愛を理解した上での決断でした。
2023年、5年ぶりに巨人のユニフォームを着た長野選手。代打の切り札として、そして若手の精神的支柱として、再びチームに貢献します。2025年6月25日には通算1500安打を達成しました。
しかし年齢には勝てません。2025年シーズンは1軍で17試合の出場に留まり、打率.136、0本塁打0打点という厳しい成績でした。10月14日、長野久義は40歳で現役引退を発表します。
「今シーズンはファームで過ごす時間が長く、その中で若手選手と一緒にプレーして……そろそろかなと思った自分もいました。まだまだと思った自分もいたけど、若い選手に託して引退することを決めました」
憧れの巨人のユニフォームで野球人生を終えられたことは、長野選手にとって何よりの幸せだったでしょう。
【年表】長野久義の経歴を時系列で整理
長野久義の経歴を分かりやすく時系列でまとめました。
1984年：佐賀県三養基郡基山町に生まれる
1991年：基山小学校1年生で「基山バッファローズ」に入部、野球を始める
1997年：基山中学校入学、「筑紫野ドリームズ」で硬式野球を経験
2000年：筑陽学園高校入学
2002年：春季九州大会準決勝進出、夏の甲子園予選準々決勝敗退（甲子園未出場）
2003年：日本大学入学
2005年-2006年：東都大学野球リーグで2年連続首位打者、2年連続ベストナイン獲得
2006年：世界大学野球選手権日本代表に選出、大学4年時に主将を務める
2006年10月：日本ハムからドラフト4位指名を受けるも拒否
2007年：日本大学卒業、Honda硬式野球部に入社
2007年：JABA東京スポニチ大会で新人賞、JABA静岡大会で大会最優秀選手に選出
2008年10月：ロッテからドラフト2位指名を受けるも拒否
2009年10月：読売ジャイアンツからドラフト1位指名、念願の巨人入団決定
2010年：プロ1年目、128試合出場で打率.288、19本塁打、52打点。新人王を獲得
2011年：打率.316で首位打者獲得、ベストナイン・ゴールデングラブ賞受賞
2012年：184安打で最多安打獲得、ベストナイン・ゴールデングラブ賞受賞
2013年：ベストナイン・ゴールデングラブ賞受賞（3年連続）、WBC日本代表に選出
2015年3月29日：テレビ朝日アナウンサーの下平さやかと結婚（12歳年の差婚）
2018年：入団9年連続100安打達成（長嶋茂雄、原辰徳に次ぐ球団3位の記録）
2019年1月7日：丸佳浩のFA人的補償として広島東洋カープへ移籍
2019年-2022年：広島東洋カープで4年間プレー
2022年11月：無償トレードで読売ジャイアンツに復帰（38歳）
2023年-2025年：巨人で3年間プレー、代打の切り札として活躍
2025年6月25日：通算1500安打達成
2025年10月14日：40歳で現役引退を発表。通算1651試合出場、打率.280、1512安打、163本塁打、623打点
2025年10月以降：大学院に進学してスポーツマネジメントを学ぶことを表明
長野久義の経歴は、まさに「夢を諦めない」ことの大切さを教えてくれる物語です。
長野久義の経歴から学ぶ成功の秘訣とプライベート
長野久義の経歴から学べることは、「諦めない心」の大切さと「周囲への気配り」の重要性です。甲子園未出場や2度のドラフト拒否という困難を乗り越え、プロ入り後は通算年俸20億円超を稼ぎました。2015年には12歳年上の下平さやかアナウンサーと結婚し、「球界一の気配り」として53人が引退会見に駆けつけるほど愛されました。引退後は大学院でスポーツマネジメントを学ぶ新たな挑戦を始めています。
長野久義の経歴に見る「諦めない心」の力
長野久義の経歴から最も学ぶべきことは、「諦めない心」の重要性でしょう。彼の野球人生は、決して順風満帆ではありませんでした。
まず高校時代、甲子園出場という夢は叶いませんでした。多くの選手がこの時点で挫折を味わい、プロへの道を諦めてしまいます。しかし長野選手は大学で努力を重ね、2年連続首位打者という輝かしい成績を残しました。
さらに大学卒業後は、2度もドラフト指名を拒否するという異例の選択をしています。周囲からは「プロになれるチャンスを逃している」と心配されましたが、長野選手の決意は揺るぎませんでした。「読売ジャイアンツでプレーする」という夢を、決して諦めなかったのです。
この強い信念が実を結び、2009年に念願の巨人からドラフト1位指名を受けます。3度目の正直で夢を叶えた瞬間でした。
プロ入り後も、長野久義の経歴は「諦めない心」に満ちています。2019年、人的補償で広島に移籍することになった時、多くの選手なら絶望したかもしれません。しかし長野選手は広島でも全力でプレーし続けました。
そして2022年、38歳で巨人に復帰するチャンスを掴みます。普通なら「もう年齢的に厳しい」と考えるところですが、長野選手は古巣復帰を果たし、さらに3年間プレーを続けました。
40歳での引退後も、長野久義の挑戦は続きます。大学院に進学してスポーツマネジメントを学ぶと発表したのです。現役時代と同じく、新しい分野でも「諦めない心」で取り組む姿勢が見て取れます。
長野久義の経歴は、「夢を諦めなければ必ず道は開ける」ということを証明しています。若い世代にとって、これほど勇気づけられる手本はないでしょう。
長野久義の成績と年俸推移から見る経歴
長野久義の経歴を語る上で、数字で見る成績も欠かせません。通算1512安打、163本塁打、623打点という立派な記録を残しています。
特に注目すべきは、入団から9年連続で100安打以上を記録したこと。これは長嶋茂雄、原辰徳に次ぐ球団3位の記録です。安定した成績を残し続けることは、プロ野球選手として最も難しいことの一つ。長野選手の実力の高さがよく分かります。
年俸の推移を見ると、長野選手のキャリアの変遷が浮かび上がってきます。入団時の年俸は1500万円でしたが、活躍に応じて着実に上昇。最高年俸は2億2500万円に達しました。
2013年から2018年まで6年連続で2億円を超える年俸を維持。これは球界を代表する選手の証です。通算年俸は20億6000万円にも及び、プロ野球選手として大きな成功を収めたことが分かります。
広島移籍後は年俸が下がりましたが、それでも1億円前後を維持。ベテランとして十分な評価を受けていました。巨人復帰後の2023年は年俸2000万円、2024年は4000万円、そして2025年は5000万円と、代打の切り札として再び評価を上げています。
年度別主要成績
長野久義の経歴における主要な年度別成績を紹介します。
2010年（1年目）：打率.288、19本塁打、52打点、128試合出場。新人王を獲得し、鮮烈なプロデビューを飾りました。
2011年（2年目）：打率.316、10本塁打、76打点、144試合出場。首位打者のタイトルを獲得し、ベストナイン・ゴールデングラブ賞も受賞。長野選手の全盛期の始まりです。
2012年（3年目）：打率.311、184安打、16本塁打、67打点、144試合出場。最多安打のタイトルを獲得し、ベストナイン・ゴールデングラブ賞も2年連続受賞。ポストシーズン全試合でヒットを記録するという偉業も達成しました。
2013年（4年目）：打率.286、13本塁打、65打点、144試合出場。ベストナイン・ゴールデングラブ賞を3年連続で受賞し、WBC日本代表にも選出されました。
通算成績：1651試合出場、打率.280、1512安打、163本塁打、623打点。16年間のプロ生活で積み上げた、誇るべき記録です。
長野久義の経歴を成績から見ると、安定感と勝負強さが際立っています。特にプロ1年目から5年目までの767安打は日本人選手として歴代1位の記録で、即戦力としての価値の高さを物語っています。
長野久義の私生活と結婚の経歴
長野久義の経歴は、プライベートでも話題に事欠きません。特に注目されたのが、テレビ朝日アナウンサーの下平さやかとの結婚です。
二人が出会ったのは2008年12月、共通の知人の結婚式でした。長野選手がまだHonda硬式野球部に所属していた時期です。その後交際がスタートしましたが、世間に知られることになったのは2009年のこと。
長野選手が巨人からドラフト1位指名を受けた直後、週刊誌『女性セブン』に「車チュー写真」が掲載されたのです。プロ入り前からテレビ局の女性アナウンサーと交際していたことで、大きな注目を集めました。
交際が公になったことで、下平アナウンサーは担当していた『やじうまプラス』を降板することに。日本テレビ系列の読売ジャイアンツの選手との交際ということで、テレビ朝日内部でも複雑な空気があったようです。
それでも二人の愛は揺るぎませんでした。何度か破局の噂も流れましたが、実際には関係は続いていました。ある時は、長野選手の自宅に下平アナウンサーが「通い妻」のように訪れていたという報道もあります。
そして2015年3月29日、正式に結婚を発表。当時、長野選手は30歳、下平アナウンサーは42歳で、12歳の年の差婚として話題になりました。いわゆる「姉さん女房」です。
結婚を決めた大きなきっかけは、2014年秋の出来事でした。長野選手は右ひじと右ひざの手術で入院していたのですが、この苦しい時期に下平アナウンサーが献身的にサポートしてくれたのです。
長野選手は結婚発表時、「さやかさんには、昨年、手術してからここまで苦しい時期に大きな支えとなってもらいました。お互いに話し合いをし、このたび結婚させていただくことになりました」とコメント。下平アナウンサーへの感謝の気持ちを素直に表現しています。
結婚後も二人は仲睦まじく、2020年3月には下平アナウンサーがナレーションを担当する『じゅん散歩』に長野選手が出演し、番組上での夫婦共演を果たしました。
子供については、現在のところ二人の間にはいないようです。結婚当時、下平アナウンサーはすでに42歳でしたので、出産については様々な事情があったのかもしれません。しかし二人は夫婦二人の生活を楽しんでおり、お互いを大切にし合っているようです。
長野選手の広島移籍の際には、下平アナウンサーも一時期広島に半分移住していたと報じられています。仕事と家庭の両立に悩みながらも、夫を支える姿勢を見せていました。
長野久義の経歴における結婚生活は、お互いを尊重し支え合う理想的な夫婦の形を示しています。野球に打ち込む夫を陰で支え続けた下平アナウンサーの存在が、長野選手の活躍を支えていたことは間違いありません。
長野久義が周囲から愛された理由【球界一の気配り】
長野久義の経歴を語る上で忘れてはならないのが、「球界一の気配りができる男」としての評判です。引退会見には坂本勇人内野手、岡本和真内野手、小林誠司捕手など53人もの選手やスタッフが駆けつけました。これは長野選手の人柄を物語る象徴的な出来事です。
長野選手の気配りは、日常の様々な場面で発揮されていました。ある関係者によると、酒席で同じ店に知り合いやメディア関係者、さらにはファンがいた場合、長野選手が気づかないうちに全員分の会計を済ませてしまうことがあったそうです。
このエピソードについて本人に尋ねると、長野選手は笑顔で「いや、気のせいです。たぶんそれ、僕じゃないと思いますよ」と否定したといいます。こうした控えめな姿勢も、長野選手の魅力の一つです。
あるカメラマンは、食事をしていたところに後から入ってきた長野選手が、気づかないうちに会計を全て済ませてくれていたという体験を語っています。こうした男気あふれる行動が、多くの人から愛される理由でした。
長野選手が本気で怒った姿を目撃したという記者の証言もあります。結婚後も子供に恵まれないアラフォーの女性記者に対し、ベテラン関係者が軽い気持ちで「子づくり頑張ってる？」と発言した時のこと。それを聞いた長野選手は、相手が先輩であるにもかかわらず「それは冗談でも言っちゃいけない。デリカシーがありませんね」と声を荒らげて一喝したそうです。
このエピソードは、長野選手がただの「いい人」ではなく、本当に相手のことを考えられる人物であることを示しています。
現役最後の年となった2025年シーズン、長野選手は出場機会が激減しました。それでもベンチでは常に大きな声でチームメイトを鼓舞し、選手交代時には真っ先に立ち上がって迎える姿が見られました。
クライマックスシリーズのベンチ入りメンバーに選ばれた際、出場機会はありませんでしたが、試合後の取材で「そういう姿を先輩方から教わっているし、僕がやれば他の選手もやると思うんで」と語っています。最後まで若手の手本であり続けようとする姿勢が、多くのファンの心を打ちました。
選手会長の大城卓三捕手は引退会見で「引退会見に人が集まるということは長野さんの人柄で、大好きだから」と語りました。この言葉が、長野久義という人物を最も端的に表しています。
長野久義の経歴は、野球の実力だけでなく、人としての魅力も兼ね備えた選手だったことを証明しています。「球界一の気配り」という評判は、16年間の現役生活で培われた、彼の最大の財産と言えるでしょう。
長野久義の引退後の経歴と今後
長野久義の現役時代の経歴は2025年10月14日で幕を閉じましたが、彼の挑戦はここで終わりません。引退会見で発表された次なる目標は、大学院でスポーツマネジメントを学ぶことでした。
「このたび、私はユニフォームを脱ぎ、大学院に進学することにしました」
40歳での新たな挑戦。多くの引退選手が指導者の道を選ぶ中、長野選手は学問の道を選択したのです。スポーツマネジメントという分野は、選手の育成やチーム運営、スポーツビジネスなど、幅広い知識が必要とされます。
